フォワーダーとキャリア、ブローカー等の違いとは?

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国際輸送を検討すると、必ず「フォワーダー」という言葉に行きつきます。また、この言葉とともにキャリア、船会社、クーリエなどの言葉も聞きます。多くの言葉が出てくるため、混乱しそうです。

そこで、この記事では、フォワーダーと、これに関連する言葉の違いをご紹介していきます。

フォワーダーと各種言葉の違い

国際輸送でよく聞く「フォワーダー」とは、どのような存在なのでしょうか? フォワーダーとは、ある地点からある地点までの輸送をコーディネートする仕事をする方の総称です。輸出者又は、輸入者は、いくつかのフォワーダーから、自社の都合に最もあうところを選び依頼します。

フォワーダー=国際輸送をコーディネートする人

ただし、実際、国際輸送を検討すると、フォワーダーの言葉と似た物がいくつか出てきます。国際輸送が初めての方は、混乱する方も多いでしょう。そこで、この記事でフォワーダと各種関連的な用語を一気にご紹介をしてきます。

フォワーダーに関連する用語

今回、ご紹介する言葉は次の10個です。

  1. ブローカー
  2. キャリア(船会社や飛行機会社)
  3. クーリエ(インテグレーター)
  4. NVOCC
  5. 3PL
  6. 代理店
  7. 倉庫
  8. 貿易事務
  9. 乙仲
  10. 通関業者

1.ブローカー

ブローカーという言葉は、あまり良いイメージがありません。ブローカーとは「仲買人」の意味を持ち、ある人物と人物の間に入り、商いをする人の総称です。他方、フォワーダーは、原則、国際輸送のコーディネートをするだけです。

例えば、Aさんの商品Zが欲しいBさんがいるとします。しかし、それを持っているAさんとは知り合いではないため、購入ができません。そこで、このAさんとBさんとの間にブローカー「X」が入り、商品の仲買いをします。

具体的には、次の通りです。

  1. ブローカーXはAさんから商品Zを100円で購入する。
  2. ブローカーXは、購入した商品ZをBさんに150円で販売する。
  3. 1と2により、ブローカーXは50円の利益を得る(150-100)

少し悪く言えば「転売屋」や「中抜き野郎」とも言えます。ただし、この手のブローカーは、様々な業界に存在するため、一概に悪いことをしているように言うのは早計です。

例えば、巷にあるスーパー、コンビニ、保険屋などもある種のブローカーです。ある側面だけを見ると、転売や中抜きをしているだけだと感じます。しかし、別の側面からみると「商品の流通に貢献」とも言えます。

そして、貿易業界のブローカーは、発展途上国に商品を輸出するときに関係することが多いです。

例えば、インドネシアです。インドネシアに商品を流通させるときは、どうしても現地で幅を利かせているブローカーに利益が落ちるようにしないと、中々、うまくいかないことが多いです。

一方、フォワーダーは、商品の「輸送」部分をコーディネートすることが主な仕事です。よって、この物流を構築する一環として、現地に根付いているブローカーと調整をすることもあります。

2.キャリア(船会社や飛行機会社)

フォワーダーとは、自社で貨物を輸送するための設備を持たず、他社の輸送設備を使い、国際配送を実現しています。そして、この配送設備を持つ業者のことを「キャリア」といいます。このキャリアには、船会社や飛行機会社、トラック会社などがあります。

配送設備を持たない輸送とは、一体、どのようなことなのでしょか? 輸送設備とは、国際輸送を実現する上で必要となる全ての設備を指します。

例えば、飛行機、船、倉庫、トラックなどです。フォワーダーは、これらの設備を持ちません。フォワーダーは、これらの設備を所有している業者から「輸送スペース」や「保管スペース」を調達し、輸送サービスを提供しています。

今、一機の飛行機を所有しているとしましょう。そして、あなたは、この飛行機を実際に動かし目的地まで輸送するキャリアです。一方、フォワーダーは、あなたが所有する飛行機のスペースを借り上げて、その中に自社のお客の荷物を積めて運びます。

実際に荷物をA地点からB地点に輸送をするのは、キャリアであるあなたです。しかし、フォワーダーは、あなたの輸送スペース(A地点からB地点)を調達することにより、自社の顧客に対して「A地点からB地点」に輸送サービスを提供しています。

  • キャリアは、実際に輸送機等を所有し貨物を輸送する。
  • フォワーダーは、キャリアから輸送スペースを調達して、顧客に配送サービスを提供する

3.クーリエ(インテグレーター)

クーリエとは、本来、重要な文章を送達する人を意味していました。しかし、昨今では、いわゆるドアツードアで配送するサービスの総称を指しています。このクーリエという言葉とほぼ同じ意味で使われるのが「インテグレーター」です。

インテグレーターとは、飛行機、海上、陸上輸送など、すべての配送手段を自社で所有・運営して、できるだけ早く商品を届けるサービスを提供する業者です。

例えば、フェデックス、DHL、UPSなどがインテグレーターの代表格です。非常に巨大な資本を持ち、あらゆる配送手段を自社で所有しているため、最速で商品を輸送したいときに重宝します。

  • クーリエとは、ドアツードアの配送を基本とする業者の総称
  • 広義で考えると、クーリエもフォワーダーの一種だと考えられる。

4.NVOCC

NVOCCとは、フォワーダーの内、海上輸送船舶を持たず、国際輸送サービスを提供する業者です。すでに説明した通り、フォワーダーとは、必ずしも海上輸送だけではありません。海上の他、航空輸送やトラック輸送などもあります。NOVOCCは、この内、海上輸送の部分のみをさす言葉です。

  • NVOCCは、フォワーダーの内、海上輸送設備を持たず、輸送サービスを提供する業者
  • フォワーダーは、海上、航空、陸上など手段を問わず、輸送サービスを提供する業者
  • よって、NVONCCはフォワーダーの一種だと考えられる。

5.3PL

3PLとは、サードパーティロジスティックの略です。これは、物流自体を丸ごと外部に委託するときに利用するサービスです。

例えば、商品を製造する工場Aがあるとします。この工場は、商品の生産のみを行い、そこから先のすべての物流部門を他社であるBが請け負っています。このときのBの立場が3PLです。そして、Bは、商品生産後の全ての作業を請け負い、目的地までの輸送するサービスを提供します。

例:商品のパッキング、国内輸送、通関、国際輸送等

  • 3PL=物流を一括して請け負うサービスの総称
  • フォワーダー=3PLを提供するフォワーダーがいる。
  • つまり、3PLは必ずしも国際輸送が絡むわけではない。

6.代理店

代理店には、様々な物があるため、ここですべてを網羅できません。一例をあげるなら「船舶代理店」があります。

例えば、世界には、たくさんのキャリアがあります。(例:マースクライン)これらの会社は、世界各国の港と港をつないでおり、港の数だけ、船舶書類をさばく必要があります。(書類例:B/LやD/Oなど)

ただ、世界各国、寄港する港毎に自社の事務所を設けるのは大変です。そこで、自社事務所を置く代わりに、各寄港地で自社の代理業務を行う会社を置きます。

例えば、東京港で営業する株式会社Aという会社と代理店契約を結び、自社の船積み関連書類の手続きの代行してもらいます。この仕組みにより、キャリアは、自社事務所を設けることなく、かつ、船舶運航で必要な書類の処理ができます。

また、このような代理店(上記の場合で言うとA)は、依頼元の船会社と特別な契約を結んでいる場合が多く、他社よりも有利な輸送価格(マースクラインの)を調達できる可能性が高いです。

代理店とフォワーダーの関係=フォワーダーがこのような代理店業務を請け負っていることが多い。

7.倉庫

倉庫には、一般的な倉庫と保税倉庫の2つがあります。

一般倉庫とは、特段、何も規制がなく、イメージ通りの普通の倉庫です。一方、保税倉庫とは「保税」の言葉からもわかる通り、税関長から特別な許可を得ることで設置ができる倉庫です。

具体的には「輸入許可前」の貨物を蔵置できるのが大きな特徴です。=一般倉庫では、保管不可。フォワーダーの中には、この保税倉庫までを所有し、自社で一貫して提供している所も多いです。

例えば、自社の倉庫にコンテナを付けてデバンニング。その後、貨物を保管(蔵置)するなどです。逆に、保税倉庫に空のコンテナを付けて荷物を積みむバンニングなどをすることもあります。

8.貿易事務

貿易事務とは、主に通関業者やフォワーダー等で行う事務の総称です。一般事務と違うのは、書類を処理する上で貿易用語や英語を多用することです。独特な書類も多く、最初は、書類の意味を理解するだけでも大変です。

例えば、通関業者で働く貿易事務の場合は、お客から届く書類のチェックを行い、社内にいる通関士に書類を渡すまでの全ての業務を担当します。主な業務例:お客さんとの納期の打ち合わせ、入金・出金管理、輸入貨物に関する質問などです。

フォワーダーに勤務する場合は、主にお客から預かる船積み書類と船会社に提出する船積み書類の処理、B/LやD/Oの発行など、船舶(航空機)輸送に近い事務をすることが多いです。

フォワーダーの貿易事務、通関業者の貿易事務などがある。どちらの事務も一般的な事務よりも専門的であり、英語嫌いだとかなりつらい。

9.乙仲

フォワーダーと乙仲の違いは、線引きが難しいです。かなり一般的な区分けで言うと….

  • 乙仲=港周りの業務が中心
  • フォワーダー=国際輸送業務が中心

但し、様々な規制改革などにより、乙仲自体もフォワーダー業務をやっている場合があったり、逆にフォワーダーも港に倉庫を構えて、乙仲のようなことをしていたりする場合があるため、言葉通り、画一的に区切るのは難しくなっています。

10.通関業者

通関業者とフォワーダーの違いは、次の通りです。

  • 通関業者=税関への輸出入申告の代行をする会社
  • フォワーダー=国際輸送業務が中心

しかし、上の説明通り、2020年現在は、業務範囲が相互に「浸食」し合っており、何かを基準に区切ることは難しいです。通関業者も収益性の拡大を目指し、荷主からフォワーダー業務の部分を含めて一括で受託する場合もあり、逆にフォワーダーも通関業者の領域に進出していることもあります。

以上、フォワーダーと各種言葉の違いでした!最後までお読みいただきありがとうございました。

フォワーダーと各種言葉の違いまとめ

  • ブローカー → 輸送スペースの調達をするかどうか。
  • キャリア(船会社や飛行機会社)→ 輸送設備を持つかどうか。
  • クーリエ(インテグレーター)→ 広義で同じ。
  • NVOCC→ フォワーダーの一種。フォワーダーの内、海上輸送設備を持たない業者
  • 3PL→ 必ずしも国際輸送に関係しない。正しくは、3PLを提供するフォワーダーがある。
  • 代理店→ フォワーダーがキャリアの代行をしている
  • 倉庫→ フォワーダーが自社倉庫を持つ場合あり。
  • 貿易事務→ フォワーダーや通関業者等で働く貿易専門の事務員
  • 乙仲→ 区分けは難しい。乙仲=港周りの業務が中心
  • 通関業者→ 区分けは難しい。通関業者=輸出入申告が中心
現役フォワーダー社長のメッセージ
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