【図解】フォワーダーとは?業務と役割を紹介!

フォワーダー ジェットコラム
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国際物流で活躍するフォワーダーと呼ばれる仕事があります。輸送を希望するお客様に対して、輸送スペースの確保と付随する仕事をしています。

例えば….

  • ドイツから日本に輸送したい。
  • 日本の○○県からアメリカの○○州にプラントを輸送したいなど

ただ、仕事内容を考えてみると「別にフォワダーに依頼せず、自分たちで手配すればいいのでは?」とも感じます。そこで、この記事では、フォワーダーの役割や存在意義を詳しく説明していきます。

フォワーダとは?役割や存在意義

フォワーダーとは、ある地点からある地点までの輸送をコーディネートする仕事です。

例えば…

  • ドイツの○○港から、日本の○○港まで輸送したい。
  • 日本の○○県○○市にある工場から○○を引き取り、米国の○○に輸送したい。

など、荷主が求める任意の地点間を輸送するときに利用するのがフォワーダーです。もし、輸出入問わず、海外の誰かと取引をする場合は、必ず関りがある業者です。

では、フォワーダーを日本の法律上の定義で確認してみましょう! フォワーダーは、貨物利用運送事業法に基づき、次の2つの内、いずかに属するとされています。

  1. 第一種貨物利用運送事業(登録制)
  2. 第二種貨物利用運送事業(許可制)

一種は登録制、二種は許可制であり、違いは、航空、海上、陸上などの一貫輸送の可否にあります。(二種のみ可能)また「利用運送事業」の定義は、次の通りです。

自らが鉄道、船舶、航空機等の輸送手段を保有せず他の運送事業者の行う運送を利用して貨物の運送をする事業です。貨物利用運送事業者は、他の運送事業者と運送委託契約を結び貨物の運送を委託し、他方、荷主との間では運送契約を結び、荷主に対して運送責任を負うことになります。

引用元:国土交通省の資料

ポイントは、次の3つです。

  • 鉄道、船舶、航空機等の機材を所有していない。
  • 利用事業者は、運送事業者(キャリア)と「委託契約」を結ぶ。
  • 利用運送業者は、荷主との間で「運送契約」を結ぶ。
フォワーダーの図解

フォワーダーの仕組み

フォワーダーの役割

フォワーダーの役割は、荷主の輸送ニーズを的確に把握し、滞りなく輸送することです。(潤滑油)逆に言うと、この役割を果たせないフォワーダーは、単なる輸送料金の中抜き業者に成り下がり、社会的には無価値です。

「荷主の輸送ニーズを把握し、適切な配送手段を手配し、滞りなく輸送すること」

これがフォワーダーが果たすべき役割や存在意義です。具体的には、荷主から配送区間、インコタームズ、保険の有無、リードタイム、希望する配送日を確認したら、複数の輸送手段から荷主のニーズに最適な国際輸送を創ります。

参考:大手フォワーダー5社はどこ?

航空輸送のフォワーダーであれば、以下の5社と言われています。

  1. 日本通運
  2. 近鉄エクスプレス
  3. 郵船ロジスティクス
  4. 阪急阪神エクスプレス
  5. 西日本鉄道国際物流事業本部

フォワーダーの種類

フォワーダーは国際輸送のコーディネーターです。ただし、同じ「フォワーダー」でも、いくつかの種類があります。主な物は、次の通りです。

  • 海上輸送系のフォワーダー
  • 航空輸送系のフォワーダー
  • 海上、航空、陸上を複合一貫輸送するフォワーダー

海上系は、主に海上輸送を軸に活躍。航空は、航空輸送が軸です。三つ目のフォワーダーは、航空、海上、陸上を一貫して輸送することを得意とします。

また、輸送が得意な分野による分類の他、次の三つによる違いもあります。

  1. 独立系フォワーダー
  2. 商社系フォワーダー
  3. メーカー系フォワーダー

独立系フォワーダーとは、フォワーダー業務だけで完全に独立して運営する会社です。フォワーダーの中のフォワーダーであり、本当に価格競争力やコーディネート力がある会社です。

一方、商社系フォワーダーやメーカー系フォワーダーは、財閥系商社やメーカーの子会社としてフォワーダー業務を行い、空きスペースを他社に提供しています。これらのフォワーダーは、親会社の力がなければ何もできなく、1番の独立系フォワーダーよりも「力がない」場合が多いです。

フォワーダーには、様々な業者が含まれる。言葉の持つ意味、フォワーダーの立ち位置、事業内容を正しくとらえて、最適なフォワーダーを選ぶことが重要です。

主な業務内容(実務)と範囲

次にフォワーダーの業務内容と範囲をご紹介します。既述の通り、国際物流関係は、一昔前よりも業務範囲が広くなっており「フォワーダーといえば、この業務だ!」と断言しづらくなっています。ここでは、非常に一般的な業務例としてご紹介します。

フォワーダーの一般的な業務範囲は、国際輸送部分のコーディネートと関連する付随業務の提供です。実務上の仕事は、次の通りです。

  • 船会社との輸送スペースの交渉(CSR)
  • 顧客へのスペース販売
  • 顧客の納期や配送調整
  • 国際輸送関連の書類作成業務
  • 通関処理(フォワーダーによる)
  • 国内配送手配(フォワーダーによる)
  • 倉庫付随作業の管理(フォワーダーによる)

フォワーダーを大きく分けると、外勤と内勤の2つです。

外勤は、主に既存の顧客への営業まわりと新規荷主の開拓等をしていきます。電話等の営業アプローチや飛び込み営業等もありますが、既存の荷主からの紹介等も多いのが特徴です。いわゆるブラック企業のようなガチ営業をすることは少ないです。

一方、内勤部隊は、既存の荷主のフォローアップや実務上の処理が主な仕事です。

例えば、既存のお客様から新規の輸送依頼がきたときに、実務面から処理していきます。また、各顧客から受け取る入金管理や貿易関連書類の発行等も重要な仕事です。

最初にお伝えした通り、上記の業務内容は、非常に「一般的」なフォワーダーの事例です。実際はフォワーダー毎に大きな特徴があり、3PL等の倉庫サービスを提供していたり、海外の事務所事務所に勤務できたりする可能性がある所も多いです。

また、インターネット上の書き込みもある通り「荷主からの急激な予定変更がつらい」「残業が多くてしんどい」「属人的な傾向が強くて大変」等の傾向もあります。特に最近は、政府からの働き方改革の推進もあり、残業時間が大幅に削る一方、これまでの業務をこなさなければならない状況が続いています。この「激務」に嫌気がさし、離職する方も多いです。

フォワーダーを使うメリット

ここまでの内容でフォワーダーの業務内容や実情をおわかりいただけたかと思います。ここからは、フォワーダーを使うメリットをご紹介していきます。

まず前提として「どの立場から」のメリットなのかを明らかにしておきましょう。ここでは次の2つの立場から説明をします。

  1. 船会社(キャリア)側の立場
  2. 荷主側の立場

1.船会社(キャリア)の立場からのメリット

船会社がフォワーダーを使うメリットは、スペース販売力の確保と自社リソースの省力化です。

例えば、あなたが一つのコンテナ船を運航するとしましょう。横浜からロサンゼルスまで大きな船を一隻運行します。このとき、最も重要なことは、輸送スペースの販売です。ご存じの通り、巨大な船を運行するには、多額のお金がいります。当然、この経費をねん出するための「売上」が必要です。

船会社の売り上げは、コンテナ船の輸送スペースの販売です。一度にできるだけ多くの荷物を集めて運行するほど、船会社は利益を得られます。もちろん、スペースの売り上げが悪ければ、売り上げどころか経費倒れです。

ポイント:船会社にとっては、運行する船のスペース販売が最も重要な営業活動

そして、この営業活動を縁の下で支えているのが「フォワーダー」です。フォワーダーは、少し見方を変えると「船会社の営業部隊」です。船会社は、複数のフォワーダーに対してスペースを販売し、フォワーダーは、獲得したスペースを荷主に再販売します。

つまり….

船会社 → フォワーダー → 荷主

の販売をすることにより、船会社としては、次のメリットがあります。

  1. 定量的にスペースを販売できる。
  2. 定期的にスペースを販売できる。
  3. 営業活動人員を最小化できる。

このことから、船会社は、船の運航やマーケティング活動に専念ができるのです。

2.荷主の立場からのメリット

次に荷主の立場からフォワーダーを使うメリットをご紹介します。荷主がフォワーダーを使うメリットは、次の三つです。

  1. 最適な輸送をコーディネートしてもらえる。
  2. フォワーダーを通して複数の価格を検討できる。
  3. 事故が発生したときの処理を丸投げできる。

ここであなたに質問です。どこかに旅行に行くときは、次の内、どちらの方が旅の費用が安くなりますか?

  1. 旅行会社の企画するツアーに参加したとき
  2. 個人で旅行を手配するとき

ほぼ同じ旅行内容だとしても、必ず1番の方が安くなります。なぜでしょうか? 実は、これがフォワーダーと荷主の関係にも似ています。世の中には、とても勘違いしやすいことがあります。

それは….

「直接契約が最も安くなる」

一見すると、正しいように感じます。しかし、この考え方は、どんな場合も当てはまるわけではないです。

例えば、どこかの地点までの国際輸送の見積りをもらうとします。このとき、フォワーダーに見積もりを依頼するべきなのか? それとも、船会社に依頼するべきなのか?と、迷います。ここまでの説明の下りを予想すればわかりますが、多くは「フォワーダー経由」の方が安いです。

なぜでしょうか? これは、船会社の立場から見る、あなた(荷主)とフォワーダーの関係を考えるとわかります。先ほども述べた通り、船会社にとっての「お得意様」は、定期的かつ定量的にスペースを買いとってくれる方です。

定期的、かつ定量的にスペースを買ってくれる人=上顧客

これが船会社からの視点です。では、船会社から見て、荷主であるあなたと、フォワーダーは、どちらが定期的かつ定量的にスペースを買ってくれるのでしょうか? 当然「フォワーダー」です。つまり、船会社は、荷主であるあなたよりも、フォワーダーに有利な価格を提示しています。

  • 船会社→あなた = 10000円を提示
  • 船会社→フォワダー = 2000円を提示

という可能性も十分にあり、これが必ずしも「直接契約することが最も安い」とは言えない理由でもあります。直接契約=安いは、勘違いです。世の中にいるほとんどの荷主は、フォワーダー経由で輸送契約をした方が有利な価格を得られる可能性が高いです。これが価格面でのメリットです。

その他、一つのフォワーダーに依頼をするだけで複数の船会社から選ぶことができる点もメリットです。通常、フォワーダーは、複数の船会社と契約を結んでいるため、荷主がフォワーダーに見積もり依頼をすることで、フォワーダーを通して複数の船会社の輸送価格の比較ができます。

そして、3番目のメリットが「事故発生時の責任」をフォワーダーが取ってくれる点です。

例えば、以前発生した「韓進海運」の破綻騒動。当時、韓進のコンテナ船で貨物を運んでいた荷主は、洋上で輸送途中にある中で、破綻の一報を受けます。韓進のコンテナ船は、荷役料の不払いの可能性が高まり、港に入港できない状況が続きました。

このとき、韓進海運と直接契約をしていた荷主は、B/L上のルールから自分自身で代替船を手配する必要が出ました。他方、韓進の船をフォワーダー経由で契約していた荷主は、フォワーダーとの「輸送契約」に基づき、荷揚げ港まで輸送してもらうことができました。

つまり、フォワーダーが洋上で留め置かれている貨物を引き取り、本来の荷揚げ港までの全ての費用と責任を取り輸送したわけです。この部分でも、直接、船会社と契約するよりも、フォワーダー経由で契約したほうがメリットが大きいと言える理由です。

フォワーダーになるには? 勉強に役立つ動画集

さて、ここまでの内容をご覧になり、フォワーダーに興味を持った方も多いはずです。実際、フォワーダーになるには、どうすればいいのでしょうか? 基本的にフォワーダーになるには、次の2つしかありません。

  1. 新卒で入るのか?
  2. 派遣等でキャリアを積むのか?

貿易業界は「経験値」が命です。全くの未経験で入れるのは「新卒採用」の一度だけです。新卒以降では、採用基準が「経験があるのか?」となり、事実上、未経験で入ることはできません。

ただし、この経験は派遣等でも良いため、すでに新卒ではない場合は、まずは派遣等で貿易業界に従事して経験を積んだ後、キャリアアップを目指すのが王道です。

例えば、派遣先のフォワーダー会社で派遣社員としてバリバリ仕事をこなしていると、派遣先の社員や上司から引き抜きをされることがあります。実際、私の周りの方も派遣社員として勤務をしていた方がそのまま派遣先の正社員になった方が多かったです。

ポイント:フォワーダーなりたいなら、新卒で入るか。派遣会社らのキャリアアップを目指すべき

最後にフォワーダーについてわかりやすく解説している動画をご紹介させていただきます。動画を通し、この記事で紹介する内容をより理解していただければ幸いです。

参考情報:フォワーダーランキング

フォワーダーには、得意な輸送ルート、取り扱い品目があります。以下の姉妹サイト(HUNADE)には、フォワーダーのランキング等を掲載しています。よろしければ、合わせてご覧ください。

まとめ

  • フォワーダーには、第一種と第二種の利用運送事業がある。
  • 第一種と第二種は、国際複合一貫輸送の可否の違い
  • フォワーダーは船舶等の設備を有せず、国際輸送サービスを提供する物
  • フォワーダーには得意分野がある。輸送ルートや品目ごとに最適な業者を探す。
  • 海上系、航空系、複合一貫輸送、独立系、商社系、メーカー系がある。
  • フォワーダーしての実力は「独立系フォワーダー」に優位性がある。
  • フォワーダーの主な業務は外勤と内勤の2つ。
  • フォワーダーで働くには新卒×未経験又は、既卒×経験者のどちらかしかない。
  • 新卒でない場合は派遣から入るの一般的
現役フォワーダー社長のメッセージ
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